2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

講演情報

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オーガナイズドセッション » [OS] OS-1 計算社会科学

[2D4-OS-1a] 計算社会科学(1)

2019年6月5日(水) 15:20 〜 17:00 D会場 (301B 中会議室)

鳥海 不二夫(東京大学)、笹原 和俊(名古屋大学)、吉田 光男(豊橋技術科学大学)、瀧川 裕貴(東北大学)、榊 剛史(ホットリンク)、高野 雅典(サイバーエージェント)

15:40 〜 16:00

[2D4-OS-1a-02] メッセージ付きジレンマゲームにおけるコミュニケーションシステムの成立と変化

〇井上 直紀1、森田 純哉1 (1. 静岡大学)

キーワード:コミュニケーション、実験記号論、マキャベリ的知性仮説

本研究では,個人的の利益追求のための振る舞いから人間の高度な知性が生じたと主張するマキャベリ的知性仮説に従って,人間のコミュニケーションシステムの成立と変化に焦点を当てる.
設計するゲームでは実験的記号論の枠組みに基づいて,実験室実験においてどのような新規なコミュニケーションシステムが成立し、それがどのように変化するのかを探る手段として,メッセージ付きジレンマゲームを設計する.ゲームでは,二者間の相互作用によってグラフィカルシンボルが生成され,報酬の共有と独占のジレンマが生じる.このような状況は記号の曖昧さを利用した裏切りの意図を隠蔽が生起すると考えられる.本研究ではこのゲームを用いた予備的な実験を行った.分析結果からこのゲームが多義性のようなコミュニケーションシステムの曖昧さを生起させる可能性が示された.