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[2I3-OS-15a-02] AIネットワーク環境化における社会的次元の倫理的責任の検討
キーワード:倫理、集合的責任
本発表の目的は,ネオ・サイバネティクスの理論に依拠しつつ,EU議会における電子人間の提言への懸念を示し,AIネットワーク環境下の集合的責任ともいうべき考え方を考察することである。電子人間を制度的に確立しなくとも,集合的責任の制度構築により補償は可能である。近年のコンピュータ技術の動向を鑑みるに,特定の人や組織に責任を帰属できない場合が想定される。その場合は,被害者を救済し,開発者・利用者の萎縮を引き起こさないために集合的責任の導入が求められる。ただしAIネットワーク状況下における責任のありようは,集合的責任のみだけは不足である。特定の人や組織の瑕疵が明確である場合は,そこに責任を帰属させることが望まれる。これは近代以降の慣習になっており容易に変えることが難しいうえ,開発者・利用者の故意の過失もしくは怠慢,責任感の減退を防ぐためには,また技術を改善する動機の維持のためには必要であると考えられる。