2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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[2K3-E-1] Knowledge engineering

2019年6月5日(水) 13:20 〜 14:40 K会場 (201A 中会議室)

座長: 村田 忠彦(関西大学)、評者: 高間 康史(首都大学東京)

14:00 〜 14:20

[2K3-E-1-03] 知的作業における形式知と暗黙知との関係の検討

〇滝口 樹1 (1. 千葉大学 大学院 人文公共学府)

キーワード:形式知、暗黙知、知的作業

今回の研究においてはある知的作業に対する形式知を下地に置き、その作業行程においてどのように暗黙知が関わってくるのかを見ることにより知的作業に対する暗黙知と形式知との関係を検討した。
実験は折り紙を用いて行い、4種類の折り紙を折り図を参照しながら折ってもらうという課題で実験を行った。
実験の結果、次のような結果が得られた。①全実験協力者が4種類すべての課題をそれぞれ最後まで達成することができた。②課題を行う上での難所については、手順の一つである「ひっくり返す」という動作が全実験協力者に対して新規の動作であったため、ほぼすべての実験協力者がその部分を挙げた。
上記の結果から、折り図という形式知を与えた場合は全実験協力者が4種類の課題全てを達成することができたといえる。このことから、折り紙の作品を完成させるという点においては暗黙知よりも形式知の方が重要な知識であるといえる。また、全実験協力者に対して新規の動作であった「ひっくり返す」という動作の実行と理解に関しては暗黙知が重要な役割を果たしているのではないかと考えられる。