2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

講演情報

オーガナイズドセッション

オーガナイズドセッション » [OS] OS-16 臨床の知

[2K4-OS-16a] 臨床の知(1)

2019年6月5日(水) 15:20 〜 16:40 K会場 (201A 中会議室)

諏訪 正樹(慶應義塾大学)、藤井 晴行(東京工業大学)、加藤 文俊(慶應義塾大学)

15:40 〜 16:00

[2K4-OS-16a-02] 経験の写真とことばによる記録から顕在化される知の型

〇藤井 晴行1、平田 貞代2、篠崎 健一3 (1. 東京工業大学、2. 芝浦工業大学、3. 日本大学)

キーワード:土着技術、技術知、臨地研究

「伝統技術を伝承するとともに新しい科学技術と融合したこれからの伝統となる技術を共創する方法の好ましい姿を明らかにする」ことを目的とする探究を、地域固有の伝統文化の継承と現代生活の質の向上を共存させるという現実の問題を解決しようとする研究的実践と実践的研究を連携することによって遂行している。具体的には、Ⅰ.技術知の共創プロセスにおける人々や環境の間に生じるインタラクション、Ⅱ.技術知を共創する場を形成する共同体システムにおける実践知とその価値、Ⅲ.技術知や実践知や理論知がインタラクションから生まれるプロセスを解明しようとしている。本報では、研究計画のパイロット・スタディとして、石垣築造の経験に基づく〈技術知〉の抽出の試みを紹介する。参与観察と省察に基づき、人工物を創造する技術に関わる知は、公理的な認識の宣言、典型の存在の示唆、情景の描写、評価に関わる法則性の認識の宣言、比喩的な情景描写、(石垣築造)行為への言及、(好ましくない石垣を改善する)行為の提案などによって表現されることを示している。行為に言及する表現には筆者らが体得した知が反映されていると考えている。