2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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[2N4-J-13] AI応用: 医療

2019年6月5日(水) 15:20 〜 17:00 N会場 (1F 展示ホール右奥)

座長:森川 幸治(パナソニック株式会社) 評者:佐藤 佳州(パナソニック株式会社)

16:00 〜 16:20

[2N4-J-13-03] 心拍変動解析とオートエンコーダによるてんかん発作予知アルゴリズムの開発

〇藤原 幸一1,2、坂根 史弥2、宮島 美穂3、山川 俊貴4、前原 健寿3 (1. 名古屋大学、2. 京都大学、3. 東京医科歯科大学、4. 熊本大学)

キーワード:てんかん、心拍変動解析、自己符号化器

てんかんとは,大脳ニューロンの過剰な放電に由来する反復性の発作を特徴とする慢性の脳疾患であるが,発作による怪我や事故を避けるために発作起始を予知できることが望まれる.心電図(ECG)のRR間隔(RRI)の変動は,心拍変動(HRV)と呼ばれる自律神経機能を反映する生理現象であり,かねてより発作周辺期におけるHRV変化が報告されている.そこで本研究では, HRV解析と異常検出技術を組み合わせててんかん発作予測アルゴリズムを開発した.異常検出技術として,ニューラルネットワークの一種である自己符号化器を採用した.焦点性てんかん患者66人から収集した臨床データへ適用したところ,平均的な性能は感度75.3%,誤検出率は約2.49回/hであったが,これは以前の報告よりも性能が悪化している.しかしながら,提案アルゴリズムは大多数の患者において有効であった一方で,特定の少数の患者では発作が予知できていないことがわかった.今後の臨床応用のためには,てんかん発作予知アルゴリズムの適応可能な患者群の同定が求められる.