2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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[2O3-J-13] AI応用: 投資

2019年6月5日(水) 13:20 〜 14:40 O会場 (1F 展示ホール左奥)

座長:水田 孝信(スパークス・アセット・マネジメント株式会社) 評者:長谷川 忍(北陸先端科学技術大学院大学)

13:40 〜 14:00

[2O3-J-13-02] 銀行間と企業間の多層ネットワーク・シミュレーションによる連鎖破綻の解析

〇濱脇 諒1、尾崎 順一2、和泉 潔1、島田 尚1、松島 裕康1、坂地 泰紀1 (1. 東京大学、2. 東京工業大学)

キーワード:人工市場シミュレーション、投資、多層ネットワーク

近年経済のグローバル化によりある金融機関の破綻の影響がその業界や国を超えて国際的なものとなっている。
関連する分野の先行研究は、銀行単体もしくは企業単体でのエージェントシミュレーションを行うものがほとんどである。
そこで、本研究では銀行と企業の相互作用に焦点を当てた多層ネットワークのモデルを提案し、銀行から企業への投資の有無が企業の成長率に与える影響を調べる。
具体的には、投資を受けているかどうかによって成長率の変動幅を変化させ、最終的な企業の規模の分布の変化について議論する。
銀行が持つ貸借対照表は全国銀行協会が公表している全国銀行財務諸表分析に基づいて作成した。
シミュレーションの結果として、投資は企業の成長の平均には影響を与えなかったが、企業間の格差が広がった。
これは投資を受けた企業のうち、投資を活かして成長することができたものと失敗したものに別れてしまったことが原因だと考えられる。