2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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[2O4-J-7] エージェント: 人との相互作用

2019年6月5日(水) 15:20 〜 16:20 O会場 (1F 展示ホール左奥)

座長:大澤 博隆(筑波大学) 評者:田和辻 可昌(早稲田大学)

16:00 〜 16:20

[2O4-J-7-03] 呼びかけ語の丁寧さが音声エージェントへの愛着に与える影響

〇佐々木 健1、北村 美穂2、倉田 啓一3、渡邊 克巳1 (1. 早稲田大学大学院基幹理工学研究科表現工学専攻、2. 早稲田大学高等研究所、3. 株式会社デンソー)

キーワード:音声エージェント

今日,情報システムには少なからずユーザとの音声対話機能が実装化されている.音声エージェントに対するユーザの愛着は,情報システムの利用を求める際に重要な役割を果たすと考えられる.本研究では,会話の丁寧さに着目し,丁寧さの異なる数種類の呼びかけ語が音声エージェントへの愛着形成にどのような影響をもたらすか検討した.実験参加者は,バーチャル運転システムを通して,丁寧な呼びかけ語 (『すみません』)と丁寧でない呼びかけ語 (『あのー』)を話す音声エージェントと会話し,それぞれのエージェントに対する印象を評価した.その結果,丁寧な呼びかけ語の『すみません』は「打ち解け感」と「控えめさ」の評価を高めたが,エージェントへの愛着を直接示す「好ましさ」にはほとんど影響がなかった.しかし一方で,「好ましさ」と「打ち解け感」,「控えめさ」の間に強い相関が見られたことから,呼びかけ語は「打ち解け感」,「控えめさ」を通じてエージェントへの「好ましさ」を変化させる可能性があると考えられる.本結果は,呼びかけ語の丁寧さを適切に選択して使用することによって,ユーザと音声エージェント間の愛着形成が促進される可能性を示唆する.