2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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[3A3-J-13] AI応用: 企業と経営

2019年6月6日(木) 13:50 〜 15:10 A会場 (2F メインホールA)

座長:笹原 和俊(名古屋大学) 評者:米納 弘渡(名古屋大学)

14:50 〜 15:10

[3A3-J-13-04] フォールトラインが組織の成果に及ぼす影響

〇熊田 ふみ子1、倉橋 節也1 (1. 筑波大学)

キーワード:多様性、フォールトライン、エージェントベースモデル

少子高齢化が進む日本では労働力の確保は必須であり、働き方、働く人の多様化は必然である。そのため、多様化した組織を適切にマネジメントすることは今後の重要な課題である。本研究では、フォールトライン(グループを1つ以上の属性によってサブグループに分ける仮想の分割線)の考えを用いて多様性をフォールトライン(以下、FL)の強さとサブグループ数(以下、SG数)によって定量的・構造的に捉えた上で、エージェントベースモデル(以下、ABM)を用いて、多様化した組織の適切なマネジメント方法の1つを明らかにすることが目的である。FL理論に基づいた多様性とコミュニケーションの関係性をABMでモデル化し、日本の組織の調査結果をもとに、組織内のコミュニケーションの方法が組織の成果に及ぼす影響を検証した。その結果、組織内の交流が阻害なく平等に行われれば組織のパフォーマンスは最大化するが、組織内にコンフリクトが発生して似た者同士の交流が増えるとパフォーマンスが下がり多様性の構造の影響を強く受ける。そのために多様性の構造と組織内の交流の傾向を把握することが多様化した組織をマネジメントする際には重要である。