2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

講演情報

オーガナイズドセッション

オーガナイズドセッション » [OS] OS-18 感情とAI

[3G3-OS-18a] 感情とAI(1)

2019年6月6日(木) 13:50 〜 15:30 G会場 (302A 中会議室)

日永田 智絵(電気通信大学)、堀井 隆斗(電気通信大学)、長井 隆行(大阪大学)

14:50 〜 15:10

[3G3-OS-18a-03] 制限ボルツマンマシンによる自由エネルギー最小化に基づく能動的知覚

〇堀井 隆斗1、長井 隆行1,2 (1. 電気通信大学、2. 大阪大学)

キーワード:能動的知覚、自由エネルギー原理、感情

多様な情報にあふれる実世界で活動するロボットにとって,環境や自身の状態を認識するために複数の感覚情報を処理することが重要である.複数の感覚情報を統合・処理することで物体のカテゴリや感情といった概念構造が獲得され,概念構造を獲得したロボットは,一部の感覚情報からでも概念情報を予測することができる.しかし本来複数の感覚情報を処理することで獲得された概念情報を,一部の感覚情報から予測するとは難しい.このような場面で概念情報の推定に効果的な感覚情報を選択・知覚することを能動的知覚と呼ぶ.近年の神経科学研究において,人の能動的知覚(推論)を説明する基本原理としての自由エネルギー原理が注目されている.本研究ではこの自由エネルギー原理に基づいた能動的知覚のための計算論モデルと手法を提案する.具体的には深層学習モデルの1つであるRBMを用いた多感覚情報統合モデルにおいて,観測情報から概念情報を介して未観測情報を予測し,その中で自由エネルギーが最も小さい感覚情報を選択する.本稿では提案する能動知覚手法と既存手法を,人とロボットの感情コミュニケーション場面を想定した場面において評価した結果について示す.