2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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オーガナイズドセッション » [OS] OS-22 創作者と人工知能が創る創作の未来

[3L4-OS-22b] 創作者と人工知能が創る創作の未来(2)

2019年6月6日(木) 15:50 〜 17:30 L会場 (203+204 小会議室)

上野 未貴(豊橋技術科学大学)、森 直樹(大阪府立大学)

16:30 〜 16:50

[3L4-OS-22b-03] 人工知能のファッションデザインへの適用可能性

ファッションの文化的背景からの考察

〇藤嶋 陽子1,3、佐倉 統2,3 (1. 東京大学大学院学際情報学府、2. 東京大学大学院情報学環、3. 理化学研究所革新知能統合研究センター)

キーワード:人工知能、ファッションデザイン

本研究では、ファッションデザイン分野への人工知能の適用可能性についての考察を目的としている。ファッションにおいては歴史的に、テクノロジーを芸術としての価値を否定する複製可能性や大量生産と結びつけ、否定的に捉える価値観が存在している。こういった思想的な背景は、今日急速に進展している人工知能のデザインへの適用の可能性と課題を検討するうえでも重要な前提となる。それゆえ本研究では、こうした歴史的文脈を踏まえて人口知能の技術的特性を分析し、ファッションデザインの制作プロセスとの親和性について検討を行った。そこには親和性が見出されたが、それはあくまで包括的なデザインプロセスの導入に当たるリサーチ段階に当たると考えられる。ファッションデザインの価値評価は強固にデザイナーの感性と結びついており、それは制作段階のひとつひとつの過程よりもむしろ一連の制作過程と結びついている。こうしたファッションデザインの文脈における価値体系を前提とすると、人工知能のデザイン適用には人間のデザイナーとの共生関係が必要となり、その協働の可能性を検討することが重要となってくる。