2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

講演情報

インタラクティブセッション

[3Rin2] インタラクティブセッション1

2019年6月6日(木) 10:30 〜 12:10 R会場 (1F 展示ホール 中央)

10:30 〜 12:10

[3Rin2-28] 対話システムにおける知識獲得質問のためのラベル文字列を用いた知識グラフ補完性能の向上

〇藤岡 勇真1、林 克彦1、中野 幹生2、駒谷 和範1 (1. 大阪大学 産業科学研究所、2. (株)ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン)

キーワード:対話システム、知識グラフ補完、知識獲得

対話システムはデータベース上で明示的に記述されていない情報について上手く応答できない.想定できる応答に必要な情報が網羅されたデータベースが構築できれば良いが,それを人手で構築することは事実上不可能である.そこで我々はデータベース上にない情報を自ら獲得できる対話システムを設計しこの問題の緩和を試みる.システムは質問を通じてユーザから情報を聞き出そうとするが,明らかに間違った質問をするとユーザの意欲を削いでしまうという課題がある.
我々はグラフ構造を持つデータベースである知識グラフの埋め込みによるグラフ補完を利用し,できるだけ間違った内容の質問をしない対話システムの構築を目指している.本発表では,知識獲得で利用する知識グラフ埋め込みの補完精度を向上させるため,ラベル文字列を用いた知識グラフ埋め込み手法を提案する.知識グラフ上のエンティティが持つラベルの文字列を部分文字列に分解し利用することで,似たラベルを持つエンティティ間に関連性を持たせ補完精度の改善を図る.この手法の効果性を,実際に対話システムでの運用を目的として作成された知識グラフを用いて検証した.