2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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[4C2-J-1] 基礎・理論: 脳から作る知能

2019年6月7日(金) 12:00 〜 13:20 C会場 (4F 国際会議室)

座長:寺島 裕貴(NTT) 評者:田和辻 可昌(早稲田大学)

13:00 〜 13:20

[4C2-J-1-04] 評価理論に基づくマインドフルネス瞑想を起点とするポジティブ再評価誘発メカニズムに関する脳機能モデルの構築

〇中村 遥佳1、方 思源2、田和辻 可昌3,4、松居 辰則4 (1. 早稲田大学 人間科学部、2. 早稲田大学 グローバルエデュケーションセンター、3. 早稲田大学大学院 人間科学研究科、4. 早稲田大学 人間科学学術院)

キーワード:脳機能モデル、マインドフルネス、注意制御、認知機能、脳機能

ストレスの減少効果において,マインドフルネス時のポジティブ再評価機能が注目を集めている.しかし,この機能が実際の人間の脳の構造に基づくメカニズムとして,どのように説明されるかという点には課題が挙げられる.この課題はマインドフルネス時のポジティブ再評価機能のみならず,人間の認知機能全般に当てはまる課題である.人間の認知機能は脳内での情報処理を通して達成されているため,本質的な機能の理解には,実際の脳の構造に基づいたメカニズムの理解が必要である.本報告では,説明対象の機能を,マインドフルネス時のポジティブ再評価機能という全体の機能メカニズムのうち,マインドフルネス瞑想による注意制御機能へ焦点化した.そして神経解剖学的知見に基づき脳機能モデルを構築することで機能の説明を図った.脳機能モデルのシミュレーションの結果,マインドフルネス瞑想による注意制御機能と関連の深い,dlPFC・ACC・AI・PMの活性化及びに,mPFC・PCCの活動抑制が観察された.本研究アプローチにより,マインドフルネス瞑想による注意制御機能を,実際の人間の脳の構造に基づいた神経解剖学的メカニズムから説明することができた.