2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

講演情報

一般セッション

一般セッション » [GS] J-13 AI応用

[4H3-J-13] AI応用: 農林水産

2019年6月7日(金) 14:00 〜 15:40 H会場 (303+304 小会議室)

座長:波部 斉(近畿大学) 評者:大谷 雅之(近畿大学)

14:20 〜 14:40

[4H3-J-13-02] 画像から得られる牛の身体情報に基づく分娩予兆検知

〇兵頭 亮介1、斎藤 奨1,2、中野 鐵兵1,2、赤羽 誠1,2、小林 哲則1、小川 哲司1 (1. 早稲田大学、2. 知能フレームワーク研究所)

キーワード:画像認識、分娩予兆検知、精密畜産業

カメラからの画像情報を用いた牛の分娩予兆検知システムは,(1) 少量データでシステムを構築可能,(2) 周辺環境の変化に頑健,(3) 予測結果の根拠が説明可能であることが求められる. 本研究では,これらの要件を満たす分娩予兆検知システムを提案し,その性能を調査する.提案するシステムは,畜産学で分娩の兆候として知られている情報を抽出する分娩予兆特徴抽出器と,抽出された特徴を入力として分娩の予兆か否かを判定する分娩予兆検知器から成る.分娩予兆特徴は,分娩前に見られる牛の状態(起立,臥床,尾の挙上)を識別する畳み込みニューラルネットワークの中間層出力を用いた.このように,画像から判断可能な牛の状態を識別するネットワークを特徴抽出器として用いることで,(1) 少量データにおける頑健性の向上,(2) クラウドソーシングを用いたシステムの早期運用と効率的な改善の実現,(3) 分娩の兆候を検知した根拠の解釈が可能となる.収集した牛の監視映像データを用いて,提案システムの分娩予兆検知性能を評価した結果,提案システムでは0.81の適合率,0.91の再現率で分娩予兆検知が可能であることが明らかになった.