2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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[4M3-J-9] 自然言語処理・情報検索: 感情・意図の推定

2019年6月7日(金) 14:00 〜 15:20 M会場 (1F 展示ホール右奥)

座長:長井 隆行(大阪大学) 評者:杉浦 純(ヤフー)

15:00 〜 15:20

[4M3-J-9-04] ディープラーニングを用いた暗示的怒りの自動検出手法

酒井 優介1、〇藤ノ木 太郎1、安藤 雅洋1、湯川 高志1 (1. 長岡技術科学大学)

キーワード:テキスト処理、感情分析、深層学習

これまで日本語の文書から明示的な感情を検出することは 自然言語処理の分野で精力的に研究されてきた.しかし日本人は感情の表出を抑制する傾向にあり,怒りを表現する際にはそれが特に顕著である.そのため,日本語の文書から怒りを検出するには明示的な怒りだけではなく感情が抑制された暗示的表 現による怒りも含めた検出が求められる.そこで,暗示的表現 による怒りの自動検出技術の確立を目指し,本稿では暗示的表 現による怒りが含まれる文書の特徴に基きディープニューラルネットを用いて怒り文書を検出する手法を提案し評価した.結果,3つの提案方式のうち1つが,従来方式より10ポイント程度良い正解率が得られた.しかし全く検出されない怒りがあったことから暗示的怒り検出手法が確立できたとは言い難い.感情の出現順序や頻度に着目した検出手法では精度が0.18と低い性能となった.各文の感情分類として正解を付与し,文書全体の怒りを判別する部分のみを評価したところ精度は0.49となったことから,暗示的怒りの検出のために,文書中に現れる感情の順序,頻度も活用すべきであることが示唆された.