2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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[4N3-J-7] エージェント: 人流と車流

2019年6月7日(金) 14:00 〜 15:40 N会場 (1F 展示ホール右奥)

座長:松平 正樹(沖電気工業) 評者:長谷川 忍(北陸先端科学技術大学院大学)

14:40 〜 15:00

[4N3-J-7-03] 適応的ハイブリッド交通流シミュレーションのための基礎的検討

〇大野 詩歩1、藤井 秀樹1、吉村 忍1 (1. 東京大学)

キーワード:マルチエージェントシミュレーション、ハイブリッド交通流シミュレーション

交通施策の事前評価にはミクロモデルやメゾモデルのようなマルチエージェント交通流シミュレーションが用いられている。ミクロモデルでは、車両エージェントは他の車両との相互作用の影響を受けて自分自身の行動を決定する。メゾモデルでは、車両密度や交通容量、自由走行速度等のマクロ変数によって車両の走行挙動を決定する。問題領域の交通状況の特性に応じて各モデルを適用することで計算コストを抑えるハイブリッド交通流シミュレーションが提案されてきた。既往研究ではミクロ・メゾの問題領域は事前に固定・分割されていたが、動的な交通状況の変化に対して適応的にモデルの適用領域を変動させることで精緻性を保ちつつ、計算コストを抑えることが期待されるが、その切替条件については十分に検討されていない。本研究では、適応的なハイブリッドシミュレーションの実現のための最初の検討として、メゾモデル、ミクロモデルをそれぞれ実装したシミュレーションにおいて、交通量に応じて現れる各モデルの特性の差について分析した。その結果、右折交通量の滞留が発生するか否かという基準が、各モデルを切り替える指標のひとつであるということがわかった。