2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

講演情報

インタラクティブセッション

[4Rin1] インタラクティブセッション2

2019年6月7日(金) 09:00 〜 10:40 R会場 (1F 展示ホール 中央)

09:00 〜 10:40

[4Rin1-34] エージェントによる津波避難行動と被災箇所の特定

〇川合 康央1、海津 ゆりえ1 (1. 文教大学)

キーワード:津波避難、シミュレーション、可視化

地域住民にとって身近な防災情報である津波ハザードマップは,地方自治体が主となり作成されている.これらは国や県から提供された津波シミュレーションのデータをもとにしているが,提供されるデータが更新された際には,地方自治体で防災計画を大幅に見直すことが必要となる.我々は,ゲームエンジンとオープンデータを利用した津波避難シミュレーションシステムを開発し,対象地区を鎌倉市としたシミュレーションによる評価を行った.本システムでは,避難行動を行うエージェントを作成し,自律的に避難先を検索し定められた速度で避難行動させることで,避難場所の配置に関する現状の課題を明らかにする.エージェントは3種類の歩行速度と被災条件,2種類の避難行動パターンを用意し,その数や比率を自由に可変できるものとした.シミュレーションの結果,海から離れた内陸部においても,被災者が集中する箇所がいくつか存在することが判明した.また,歩行速度の遅い児童や高齢者エージェントの被災率が高くなることが明らかとなった.