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[4Rin1-34] エージェントによる津波避難行動と被災箇所の特定
キーワード:津波避難、シミュレーション、可視化
地域住民にとって身近な防災情報である津波ハザードマップは,地方自治体が主となり作成されている.これらは国や県から提供された津波シミュレーションのデータをもとにしているが,提供されるデータが更新された際には,地方自治体で防災計画を大幅に見直すことが必要となる.我々は,ゲームエンジンとオープンデータを利用した津波避難シミュレーションシステムを開発し,対象地区を鎌倉市としたシミュレーションによる評価を行った.本システムでは,避難行動を行うエージェントを作成し,自律的に避難先を検索し定められた速度で避難行動させることで,避難場所の配置に関する現状の課題を明らかにする.エージェントは3種類の歩行速度と被災条件,2種類の避難行動パターンを用意し,その数や比率を自由に可変できるものとした.シミュレーションの結果,海から離れた内陸部においても,被災者が集中する箇所がいくつか存在することが判明した.また,歩行速度の遅い児童や高齢者エージェントの被災率が高くなることが明らかとなった.