[1C3-OS-6a] 複雑化社会における意思決定・合意形成のためのAI技術 (1)

[1C3-OS-6a-04] 協力ゲーム，複数論点交渉を用いた輸配送計画マージ方式の提案

〇樋田 愛¹、伊加田 恵志¹ (1. 沖電気工業株式会社)

キーワード：ゲーム理論、交渉、物流、最適化、マルチエージェント

トラック輸送業界では，貨物量増加や人手不足などの問題から，限られたリソースでより多くの貨物を運ぶ高効率輸送の実現が喫緊の課題となっている．そこで本稿では，ロジスティクス会社・運送会社・物流需要家などが参加する電子的なマーケットにおいて，複数事業者横断で輸送効率を向上させる方式を提案する．このマーケットは，上記の様な意思決定主体をプレイヤーとし，彼らへの提案・交渉を通してプレイヤー間の協調行動を促すことにより，各社が個別に最適化した輸配送よりも社会的効用の高い輸配送を実現するマルチエージェントシステムと考えられる．我々の方式では，協力ゲームの手法を用いて，与えられた複数事業者の輸配送計画セットから，マージ（混載）する計画の最適な組み合わせを求める．また、この計画に関係するプレイヤーとの複数論点交渉によって，マージして生成される新しい計画の条件調整・合意形成を図る．これらの処理の反復を通して，関係プレイヤーが合意可能で，より輸送効率の良い輸送計画を求めることができると考えている．