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[3C5-OS-23b-03] 「余白」に気付く感性を醸成する
キーワード:フィールドワーク、感性の醸成、研究方法
本研究は、「余白」に気づくための感性を開拓するフィールドワーク課題の設計と実践について考察を加えるものである。ここで「余白」は、固定的な〈属性〉ではなく、観察者の置かれた状況に応じて移ろう〈状態〉として理解する。例えば1台の自転車のカゴは、持ち主にとっては「荷物置き場」、行き場のないゴミを抱えた人にとっては「ゴミ箱」、花を植える人にとっては「プランター」として、多様な「余白」になりうる。こうした〈状態〉としての「余白」を認知する感性の醸成方法を模索するため、恵比寿駅から半径500メートル圏内を対象にフィールドワークを行う課題(学部生対象)に取り組んだ。フィールドワークの過程では、まちを歩く際の物理的な条件を変え、場合によっては環境に能動的に働きかけることを試みた。また、個人の体調や心理状態をふまえながら、フィールドワークで体感した、まちに偏在する「余白」をめぐるエピソードを記述した。本論文では、「臨床の知」という観点からフィールドワークの過程をふり返り、個人的な体験としての「余白」を他者に語ることの可能性について検討する。
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