2020年度 人工知能学会全国大会(第34回)

講演情報

インタラクティブセッション

[3Rin4] インタラクティブ1

2020年6月11日(木) 13:40 〜 15:20 R01会場 (jsai2020online-2-33)

[3Rin4-10] 障害による引きこもり様態からの脱却プロセスにおける感情表現モデルの構築

Minsky Theoryを用いた作業療法的考察

〇川崎 一平1,2,3、永井 邦明2,3、原田 瞬2,3、柴田 健一1,3、小川 敬之2,3、桐山 伸也1,3 (1.静岡大学創造科学技術大学院、2.京都橘大学、3.みんなの認知症情報学会)

キーワード:作業療法、障害、感情表現モデル、引きこもり

人は自身の心身状態に何らかのアクシデントが発生し重大な後遺症が残ったとき、病前と同じ生活を維持し社会活動に復帰することは容易ではない。今回40代で脳血管障害を発症し重度の右半身麻痺と失語症が残存した症例が、退院後社会との関係を拒絶し長期に渡り引きこもりの様態を呈したため、作業療法士が介入し社会復帰を支援した。本症例には運動麻痺によって思うように身体が動かせず、key personである母親の介護なしでは生活が成立しないことへの葛藤や、失語症による影響で他者に想いが伝えられないもどかしさと対峙する苦悩がみられた。M.MinskyのSix-Level Modelは下位の本能・意欲といった階層から、上位の価値観・倫理観等の階層が複雑に絡み合い、人の思考や行動が決定づけられることを示している。本症例の引きこもり様態からの脱却プロセスにおいて、作業療法の視点からMinsky Theoryに基づき感情(心的状態)の変遷を表現できるモデルを構築した。母親との関係性の変化や、自身の自立度の向上、愉しみの獲得等が本人の心を動かすトリガーとなっており、構築したモデルが作業療法の介入効果に役立つことを示した。

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