2020年度 人工知能学会全国大会(第34回)

講演情報

インタラクティブセッション

[3Rin4] インタラクティブ1

2020年6月11日(木) 13:40 〜 15:20 R01会場 (jsai2020online-2-33)

[3Rin4-51] RIC-NN:深層転移学習を用いたマルチファクター運用

〇中川 慧1、阿部 真也1、小宮山 純平2 (1.野村アセットマネジメント株式会社、2.ニューヨーク大学)

キーワード:深層学習、転移学習、マルチファクターモデル

機械学習を用いて株価を予測しようとする試みが近年非常に多く行われている。
ファイナンスの分野において複数の株価をクロスセクションデータとして見たとき、どういった属性の銘柄群が、相対的に上昇し、逆に下落するかは、中長期的な期間である程度明らかにされている。

こういったクロスセクションで株価を説明する属性をファクターというが、実際には複数のファクターを組み合わせ、株価の相対的な魅力度をより詳細に、多角的に明らかにする。
本研究では、複数のファクターを用いた深層学習による株式リターン予測における新たな枠組みであるRIC-NNを提案する。
RIC-NNは過学習を抑制するため、エポックベースではなく、Rank ICを用いて学習のEarly Stoppingを行う。さらに市場間での転移学習により、データ数が確保できる市場で学習したネットワークを用いて、データ数が少ない市場においても学習が可能であるという特徴を持つ。
MSCI指数の北米およびアジアを対象とした実証分析の結果、RIC-NNは、10年以上の検証期間において、エポックベースの深層学習を含む複数の機械学習手法を収益性の観点から上回ることを確認した。

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