2020年度 人工知能学会全国大会(第34回)

講演情報

インタラクティブセッション

[3Rin4] インタラクティブ1

2020年6月11日(木) 13:40 〜 15:20 R01会場 (jsai2020online-2-33)

[3Rin4-65] 分光スペクトルの多点測定が不均一試料の異同識別の高精度化につながるか否かの理論的検証

〇菅原 滋1 (1.警察庁科学警察研究所)

キーワード:分類学習、法科学、t検定、主成分分析、分析化学

私は近赤外分光を用いて、紙の製造メーカーや型番を識別している。しかし紙はミクロでみると不均一なので、測定個所によりデータが少しずつ変化する。したがってスペクトルの差異が、試料の差に由来するのか、あるいは測定個所の差に由来するのかの判断が難しい。一方、紙はマクロでみると均一なので、ある程度広い領域の測定値を平均化すれば、測定値の変化は抑えられる。しかし平均化は、情報を捨てることでもある。そこで、平均化せずにミクロな領域の個々の測定値を残したまま試料同士を比較した方が、試料を精度高く識別できる可能性があるので、Matlabで模擬データを発生させ、理論的に検証した。 平均が異なる100,000個の乱数からなる2つのデータ群(群1と群2)を生成した。 次に、両方の群について、平均化法を使用してデータ数をさまざまな数に減らした。 次に、群1と群2が異なる母集団から抽出されたか否かをt検定とf検定で推定した。 その結果異なる母集団であると推定される確率は、データ数が変わってもほぼ一定であった。したがってデータ数を増やしても、得られる精度を高めることにはならなかった。

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