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[4F3-OS-25b-01] 情動評定値からの回答スタイル除去法
キーワード:感情計算論、情動
主観評定は人の情動状態を記述する上で最も重要な方法の一つである.だが,クリーンでリッチな評定値を得るのは容易でなく,得られた評定値そのものを用いた分析は興味の対象以外の様々な要因により歪められる.その要因の一つとして,内容に関わらず特定のカテゴリを選択する個人の傾向である回答スタイルがある.代表的な回答スタイルに極端反応傾向や中心反応傾向があり,これらの回答スタイルを抽出・除去する方法は既に複数提案されている.だが,既存の方法は評定値が単一の課題から得られていることを前提としており,内容非依存である回答スタイルと課題に依存した回答バイアスとの識別が困難であった.そこで本研究では,複数の課題から得た評定値を入力として,マルチタスク学習の枠組みで課題非依存な成分として回答スタイルを抽出・除去する方法を提案する.情動認知課題を用いた実験により,提案法がベースラインよりも高い適合度を示し,日本人の中心反応傾向を再現するなどその有効性が確認された.さらに,回答スタイルを除去した場合との比較により,観測された評定値そのものを用いた場合には,評定者間信頼性が過少に見積もられる可能性が示唆された.
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