2020年度 人工知能学会全国大会(第34回)

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[4M3-GS-13] AI応用: 電力

2020年6月12日(金) 14:00 〜 15:40 M会場 (jsai2020online-13)

座長:笹原和俊(名古屋大学)

14:40 〜 15:00

[4M3-GS-13-03] LiNGAMを用いた石炭火力発電所におけるNOx発生の要因解析

〇斎藤 樹1、藤原 幸一1 (1. 名古屋大学)

キーワード:因果推論、LiNGAM、石炭火力発電所

石炭は他の化石燃焼に比べ埋蔵量が多く,長期的安定供給が可能であり,日本の電力の約1/4は石炭火力発電によって供給されている.しかし、石炭は産地により性状が異なること,燃料に含まれる窒素分が他の化石燃料に比べ多く,燃焼の際に生じるNOxの発生量が多いなどの問題がある.そのため,NOx排出量は石炭火力発電の操業にあたり,緻密な制御が求められる.NOxの発生量は理論上石炭性状から傾向が把握できるが,実際は燃焼空気や微粉炭ミル運用などの操業条件の影響を受けるためNOx発生量は予測が困難であり,その発生に影響を及ぼす操業因子の特定が求められている.本研究ではNOx発生要因の特定を目的とし,統計的因果探索手法のひとつであるLiNGAMを用いて石炭火力発電所の実運転データを解析した.各プロセス変数とNOx発生量との因果関係をLiNGAMによって推定し,NOx発生量への影響の大きさを計算した.その結果,燃料比や脱硝入口ガス温度など物理化学的見解からも妥当であると考えられる因子が推定された.LiNGAMはNOx発生量に影響を及ぼす操業因子の特定に有用であることが示唆された.

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