[4N3-OS-26b] 人工知能と倫理 (2)

[4N3-OS-26b-02] 採用におけるプロファイリング・サービスの倫理的課題

「リクナビDMPフォロー」事件を手がかりに

〇工藤 郁子¹、荒井 ひろみ²、江間 有沙^1,2 (1. 東京大学、2. 理化学研究所)

キーワード：プロファイリング、データガバナンス、パーソナルデータ、採用とデータ、ピープルアナリティクス

採用を目的としたプロファイリングサービスに関する倫理的・法的・社会的課題（ELSI）は，従前より研究対象とされてきた．そこでは，人種や性別に関するバイアスに焦点を当てることが多かった．他方，本研究では，2019年8月に社会問題化した，いわゆる「リクナビDMPフォロー」の考察を通じて，企業がデータ主体の利益を考慮せずにサービスを設計するなどモラル・ハザードが生じやすい構造的な課題があることを示す．その上で，対応策として，（a）プロファイリング・サービス開発のチェックリストの提案，（b）業界団体によるガイドラインの策定，（c）研修プログラムとしての「炎上体験型ロール・プレイング・ゲーム」開発などの取組みを紹介する．