[2O6-GS-5] エージェント：ゲーム理論

[2O6-GS-5-01] 公開場面と非公開場面における社会規範と協力の共進化

〇宮原 浩紀¹、一ノ瀬 元喜¹ (1. 静岡大学)

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キーワード：進化ゲーム理論、協力の進化、社会規範、エージェントベースモデリング、シミュレーション

人間社会の協力関係は、評判によって支えられている。人の評判は、その人の行動を観察している周囲の人々によって決定されるが、私的な場面では人の行動は観察されにくい。そのため、人は私的な非公開の場面では非協力的になり、公的な公開の場面では協力的になり得る。このように行動を公開・非公開で使い分ける人は、どちらの場面でも一貫して非協力的な人よりも低く評価されることが実験で示されているが、その理由は明らかになっていない。本研究では、常に観察される公開場面と、ほとんど観察されない非公開場面という2種類の相互作用が存在するモデルに、行動の一貫性に対する評価を含む評判メカニズムを導入し、マルチエージェント・シミュレーションを用いて協力と評判のメカニズムがどのように進化するかを調べた。その結果、2種類の場面が十分に存在し、非公開場面での行動が観察されるリスクが存在するが、小さい場合、両方の場面で一貫した行動をとる者を高く評価する社会規範が進化し、協力が促進されることがわかった。