[3Yin2-55] 人々は短いプロフィール記述から他者の関心をどう推測するか
キーワード:常識、バイアス、事前学習済み言語モデル、パーソナリティ
本稿では,「田中さんは小学生男子です」のような短いプロフィール記述から人々が他者の関心をどのように予測するのかに関して調査した結果を報告する.まずクラウドソーシングを用いて,46種類のプロフィール(男女それぞれ23種類)と49種類の一般的な関心対象(趣味)について,プロフィール記述に該当する人物が特定の対象に関心を抱くと思うかどうかを尋ねた.2,129人の日本語話者から集めた315,560の回答を分析した結果,性別・年代間で予測傾向がよく一致し,また同性・同年代のカテゴリ内でも安定していることが確認された.これは人のカテゴリについての認識が,ある種の社会的常識として人々に共有されていることを示唆する.次にこのデータに対して,事前学習済み言語モデル(BERTおよびRoBERTa)を用いて予測を行わせた結果,非常に弱い一致しか見られないことを確認した.本研究で収集したデータは,機械が人々と類似した社会的予測を行えるかどうかを評価する1つの指標として使える他,社会の多様性について考える際の,人々の認識に関する基礎的なデータとしても有用であると考える.
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