14:00 〜 14:40
[4H3-OS-2b-01] (OS招待講演) オンラインでのニュース接触と民主主義デバイド
キーワード:最小効果説、政治的分極化、情報の選択的接触、党派感情、調査研究
Bennett&Iyengar(2008)の所説によれば、近年の細分化・多様化した情報環境下では、民主主義的な世論形成の過程において、次のような2段階にわたる「分断 divide」が生じるだろうとされる:(1)政治関心の高い者は政治・社会問題を報じるハードニュースへの/低い者は娯楽的なソフトニュースへの接触頻度を高め、両者の政治知識・参与の格差が拡大する。(2)政治関心の高い者のあいだでは、イデオロギー的先有傾向に応じたニュース接触が強まり、保守とリベラルの分極化が進む。 本講演では日本での調査データをもとに、この仮説を検証した結果を紹介する。辻編(2021)で未報告の知見と合わせて結論を示すならば、ネットでの情報接触の因果的効果として、(1)の仮説はおおむね支持され、(2)については、仮説の想定する情報の選択的接触とは別の過程による政治的態度の分極化が部分的に認められた。当日はこれらの知見が有する政治(学)的・社会(学)的インプリケーションについても併せて説明し、今後の研究展開に向けて、データサイエンス諸分野との協働の可能性をフロア参加者とともに探りたい。
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