2022年度 人工知能学会全国大会(第36回)

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[4Yin2] インタラクティブセッション2

2022年6月17日(金) 12:00 〜 13:40 Y会場 (Event Hall)

[4Yin2-21] 会計情報のリーダビリティと個人投資家の意思決定

オンライン・サーベイ実験による検証

〇廣瀬 喜貴1,2 (1.大阪公立大学、2.大阪市立大学)

キーワード:リーダビリティ、オンライン・サーベイ実験、行動会計、計算社会科学、ディスクロージャー

本研究の目的は、企業が開示する読みやすくわかりやすい会計情報の開示は、個人投資家の意思決定に影響を及ぼすのか、を明らかにすることである。本研究では、架空の企業が開示するプレスリリースのリーダビリティ(読みやすい・読みにくい)と業績の成果(好業績・業績不振)を操作した実験デザインを採用し、合計1,000人規模の被験者間オンライン・サーベイ実験を実施した。分析の結果、読みやすい開示を行なっている企業は、読みにくい開示を行なっている企業よりも、企業価値の評価額が高く評価されることが明らかになった。なお、好業績の条件では北米の先行研究と一貫した結果であったが、業績不振の条件では、北米における先行研究の実験結果とは異なる結果であり、企業が読みやすい開示を行なった方が読みにくい開示を行なうよりも企業価値の評価額が高くなるという現象が観察された。これらの結果は、企業が個人投資家とコミュニケーションをとるうえでリーダビリティの高い人間にとってフレンドリーな開示を実施する重要性を示唆しているが、業績不振企業が読みやすい開示を行なうと個人投資家からの評価が高くなされてしまう可能性があることを示唆している。

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