2023年度 人工知能学会全国大会(第37回)

講演情報

オーガナイズドセッション

オーガナイズドセッション » OS-17 地震研究と人工知能

[1L3-OS-17] 地震研究と人工知能

2023年6月6日(火) 13:00 〜 14:40 L会場 (中会議室 C2)

オーガナイザ:長尾 大道、内出 崇彦、加納 将行、庄 建倉、久保 久彦

14:20 〜 14:40

[1L3-OS-17-05] 残差学習に基づく地震波形紙記録からの低周波微動の検出

金子 亮介1、〇長尾 大道1、伊藤 伸一1、鶴岡 弘1、小原 一成1 (1. 東京大学)

キーワード:地震、深部低周波微動、残差学習、画像認識

1995年兵庫県南部地震を契機に、わが国には二千点を超える地震計からなる観測網が整備され、それにより「スロー地震」と呼ばれる通常の地震とは異なる地球内部起源の振動現象が発見された。スロー地震はプレート境界型の大地震発生と関連すると強く推認され、中でも「低周波微動」と呼ばれる微弱な振動は、かなりの高頻度で発生している。大地震が100〜200年周期で発生していることから、現代の地震観測網が整備される以前の昔の地震計によって記録された微動を調べることは極めて重要である。 本研究では、残差学習器(ResNet)を用いて、半世紀前に東京大学地震研究所の熊野観測所(三重県)の地震計によって紙に記録された地震波形からの微動の検出を試みた。実際の紙記録を模した人工画像に基づく事前学習、およびHi-netデータから生成した地震波形画像に基づくファインチューニングを行ったところ、現代のデータに基づく検証において98%以上の正答率で微動を検出できることを確認した。最後に、熊野観測所において1966〜1977年に得られた地震古記録に学習済みResNetを適用し、当時の微動を網羅的に検出することに成功した。

講演PDFパスワード認証
論文PDFの閲覧にはログインが必要です。参加登録者の方は「参加者用ログイン」画面からログインしてください。あるいは論文PDF閲覧用のパスワードを以下にご入力ください。

パスワード