2023年度 人工知能学会全国大会(第37回)

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[2P1-OS-23] 社会科学・人文科学分野の行動インサイトを活用した機械学習と最適化

2023年6月7日(水) 09:00 〜 10:40 P会場 (会議室 G1+G2)

オーガナイザ:戸田 浩之、倉島 健

09:00 〜 09:20

[2P1-OS-23-01] 数値積み上げ型タスクにおける現在バイアス下のエージェントの意思決定モデル

〇赤木 康紀1、丸茂 直貴1、倉島 健1 (1. 日本電信電話株式会社)

キーワード:現在バイアス、準双曲割引、最適介入

時間非整合性とは,長期的な利益のために計画を立てても,短期的な利益と相反するために実行時とは計画と異なる行動をとってしまうという人間の性質である.
このような時間非整合的な行動は,直近のコストや利益を過剰に大きく評価する現在バイアスによって引き起こされるとされるとされており,現在バイアスと時間非整合性の関係を調べることは行動経済学分野において重要な課題となっている.
我々は,「定められた期間において進捗を積み上げ,目標を達成する」タイプのタスクにおいて,現在バイアスの影響下のエージェントの行動を分析するための新しいモデルを提案する.
このモデルには,従来のモデルとは異なりエージェントの取る状態の系列が解析的に記述可能であるという大きな特長がある.
この性質に基づき,我々は提案モデルにおいてどのような条件で時間非整合性が発生するかについて理論的な解析を行なった.
また,目標の最適設定問題や報酬の最適スケジューリング問題といった,エージェントの進捗を最大化するための介入問題を考え,最適な戦略を理論的に導いた.

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