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[3I1-OS-4b-03] 他者の新規な対象への好みを推定する認知メカニズムの検討
キーワード:嗜好学習、意図推定
社会的な状況における意思決定において、他人の行動や意思決定を予測することは重要である。近年の認知科学の研究では、繰り返し提示される例に対する他者の選択の観察から、他者の嗜好や信念を学習する計算モデルが提案されている。しかしながら、このようなモデルでは、未学習の新奇な対象についての嗜好を予測することは困難で、推論のための学習に多くの観測数が必要であるのに対し、人は十分な数の観測ができない場合でも他人の嗜好を推論することができるように思われる。本研究では、少数の観察から未学習の対象に対する他者の嗜好を推測できる認知メカニズムを明らかにするため、少ないサンプル数から他者の顔画像に対する嗜好を推測する実験を行った。その結果、実験参加者たちは、平均して5回程度の観察で他者の嗜好を推論できることがわかった。さらに、複数の認知モデルを比較することで、他者の嗜好を推論する際に、画像的特徴ではなく、スパースに表現された画像に対する多くの人の嗜好の関係性を利用していることが示唆された。これにより、新たな対象に対する他者の嗜好の推論と同時に計算量が削減されている可能性がある。
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