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[4H2-OS-6a-03] 簡素な創発言語接触モデルで生じる言語のクレオール単純性と構成性
キーワード:創発言語、言語接触、クレオール単純性、構成性、創発コミュニケーション
本稿の目的は、最大限に簡素化された創発言語接触モデルにおいて生じる言語の、クレオール単純性(「異なる言語同士を接触させた際に生じる言語が、単純になる傾向がある」という性質)と構成性(「単語をあるルールに従って組み合わせていくことで、多様な事象を表現できるようになる」という性質)について分析することである。先行研究として、創発言語を用いて言語接触現象をシミュレーションし、クレオール単純性の再現に成功した例がある。しかし、先行研究内のモデルが煩雑であり、言語同士の接触自体が観測結果に本質的に寄与しているのか、単に彼らのモデルの構造やゲームの設定が偶然生み出した結果なのか、判別し難かった。そこで我々はまず、最大限まで簡素化されたモデルを設計し、モデルを使って創発する言語がそれでもなおクレオール単純性を持つことを、複数の指標を使って確かめた。さらに、言語接触により言語の構成性がどのように変化するのかを可視化し、(1)学習開始直後に構成性は大幅に上昇すること、(2)接触前と接触後の言語で構成性の推移の仕方が異なること、(3)接触後の言語の方が最終的に高い構成性を持つようになることが分かった。
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