[4Xin1-37] 思考スタイルと認知能力の個人差が条件文の解釈に及ぼす影響
キーワード:条件文、二重過程理論、思考スタイル、認知的熟慮性
条件文「もしpならばq」の真偽判断課題において,認知能力の高い参加者は条件文を「pの場合にq」という条件付き確率と解釈しやすいが,認知能力の低い参加者は条件文を「pかつq」という連言と解釈しやすく,バイアスに陥りやすい(Evans et al., 2007).また,人の推論は認知能力だけではなく,直感的・熟慮的な思考のどちらを好むかという思考スタイルに影響される (Evans & Stanovich, 2013) .そこで,本研究は,思考スタイルと認知能力の個人差が条件文の解釈に及ぼす影響を,「もし文字がBならば,数字は3である」といった抽象的な条件文 (実験1)と,因果関係を題材とした「もし所得格差が拡大すれば,治安は悪化する」といった具体的な因果条件文 (実験2) を用いて検討した.実験の結果,抽象的な条件文では,認知的熟慮性が高いほど,連言解釈が少なく,条件付き確率解釈が多いことが示された.因果条件文では,認知的熟慮性が高いほど,条件付き確率や双条件文「pならばqかつqならばp」という解釈が多く,独断主義的な思考傾向が高いほど,条件付き確率解釈が少なく,双条件文解釈が多いことが示された.
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