2025年度 人工知能学会全国大会(第39回)

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オーガナイズドセッション » OS-8 金融・会計・経済における情報学

[1H3-OS-8a] 金融・会計・経済における情報学

2025年5月27日(火) 13:40 〜 15:20 H会場 (会議室1003)

オーガナイザ:中川 慧(野村アセットマネジメント),平野 正徳(Preferred Networks),坂地 泰紀(北海道大学),酒井 浩之(成蹊大学),水田 孝信(スパークス・アセット・マネジメント),星野 崇宏(慶應義塾大学)

15:00 〜 15:20

[1H3-OS-8a-05] Revealing Hidden Alpha in Large-Cap Stocks

LLM-Driven Sentiment Analysis of Japanese 10-K Reports

〇中筋 萌1、岡田 克彦1、月岡 靖智1、山崎 高弘2 (1. 関西学院大学、2. 大阪産業大学)

キーワード:大規模言語モデル、リターンの予測可能性、有価証券報告書、経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の分析

本稿は、有価証券報告書におけるリターン予測可能なセンチメントを大規模言語モデル(LLM)によって抽出する先行研究を発展させ、時価総額が大きい企業で構成されるTOPIX 100およびTOPIX 500に分析対象を絞っている。これらの銘柄は、投資家による注目度が高く、取引も活発であるため公開情報が効率的に価格に反映されていると考えられる。しかしながら、LLMによって抽出されたセンチメントは依然として将来リターンの予測力を持ち、センチメントに基づく投資戦略は東証一部上場全銘柄を対象とした場合よりも大きな異常リターンをもたらしている。これらの発見は、企業の開示情報に含まれる微細なシグナルを検出するうえでのLLMベースのアプローチの頑健性を示すとともに、高流動性銘柄においても利用可能な情報が完全には価格に反映されていない可能性を示している。自然言語処理技術の高度化が、効率的とされる株式市場のセグメントにおいても投資戦略の高度化に寄与し得ることが示唆されている。

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