2025年度 人工知能学会全国大会(第39回)

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[1Win4] ポスターセッション1

2025年5月27日(火) 15:30 〜 17:30 W会場 (イベントホールD-E)

[1Win4-105] EconGrowthAgent: LLMエージェントと経済成長理論に基づくマクロ経済シミュレーション

〇森下 皓文1、角掛 正弥1、山口 篤季2、永塚 光一1、友成 光1、森尾 学1、今一 修1、十河 泰弘1 (1.日立製作所 研究開発グループ、2.シェフィールド大学)

キーワード:巨大言語モデル、経済学、エージェント、マクロ経済学、マルチエージェント

経済成長は,人類社会に繁栄をもたらす重要な現象である.
我々は経済成長を分析するため,LLMエージェントによる経済シミュレーション環境「EconGrowthAgent」を提案する.
マクロ経済学によると,経済成長は2段階で実現する:1. 家計や企業などの経済主体が労働・貯蓄・投資などに関する意思決定を行い,2. それら意思決定の結果が財の生産動学上で相互作用することで,財の生産量が増加する.
そこでEconGrowthAgentでは,LLMエージェントによって経済主体の意思決定をモデル化し,かつそれらの相互作用を表す生産動学を組み込んだ.
EconGrowthAgent上で,GPT-4oエージェント100体を用いた20年間の経済シミュレーションを行い,経済成長とその関連現象を再現できることを確認した.
これはEconGrowthAgentの妥当性を示す.
更に「超小さな政府への政権交代」「地球滅亡クラスの隕石の接近」というシナリオのシミュレーションを行い,経済成長への影響を分析した.
このように,現実世界での検証が困難なシナリオを自由に机上検証できることは,実用上大きな価値がある.

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