2025年度 人工知能学会全国大会(第39回)

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[2K1-OS-6] 地震研究と人工知能

2025年5月28日(水) 09:00 〜 10:20 K会場 (会議室1006)

オーガナイザ:長尾 大道(東京大学),内出 崇彦(産業技術総合研究所),加納 将行(東北大学),庄 建倉(統計数理研究所),久保 久彦(防災科学技術研究所)

10:00 〜 10:20

[2K1-OS-6-04] 西南日本のGNSS地殻変動時系列の深層学習によるスロースリップ自動検出

〇田中 優介1、加納 将行1、矢野 恵佑2 (1. 東北大学、2. 統計数理研究所)

キーワード:シグナル判定、地震発生予測、スロースリップ、測地データ、CNN

全地球航法衛星システム(GNSS)による地殻変動観測データの急速な増加により,スロースリップ(SSE)と呼ばれる低速・小規模な断層すべり現象の把握が進んでいる.同現象は巨大地震発生予測に重要と考えられるが,GNSSデータから機械学習でSSEを検出する試みは少なく,特に実データを学習した事例はほとんどない.本研究では実データの学習に基づくSSE自動検出手法の構築,及びノイズ特性の理解の深化を目指し,西南日本の既存のSSE検出カタログを教師データとした学習・判定を試みた.はじめに単点の地殻変動時系列からCNNで特徴を抽出し,シグナルかノイズかを判定させる問題を試みた結果,75–76%の正答率が得られた.判定結果は振幅が大きいシグナルほど検出率が高いなど直感に合う傾向を示し,SSE発生時期に合わせてシグナル確率の推定値がピークを示すなど時間方向にも合理的な挙動を示した.一方で観測点毎の正答率と時系列の標準偏差やスペクトル特性を比較すると相関は弱く,ノイズ特性と判定成績の対応は複雑であることも判明した.発表では複数観測点を併用した学習についても示し,空間情報を取り込む最適な方法を議論する.

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