2025年度 人工知能学会全国大会(第39回)

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[2L4-GS-1] 基礎・理論:

2025年5月28日(水) 13:40 〜 15:20 L会場 (会議室1007)

座長:中口 悠輝(NEC)

14:20 〜 14:40

[2L4-GS-1-03] 食べ物の好みの脳計算過程

深層学習によるモデリング

〇青木 悠飛1、遠山 朝子1、山下 祐一2、鈴木 真介1 (1. 一橋大学、2. 国立精神・神経医療研究センター)

キーワード:計算論的神経科学、認知科学、ニューラルネットワーク、深層学習、食嗜好

食べ物の好み(主観的価値)は脳内でどのように計算されているのか?この問いはヒトの食選択行動の機序を理解するうえで重要である。本研究では、主観的価値の脳計算過程を解明することを目的とし、食品画像から被験者の主観的価値を予測する深層畳み込みニューラルネットワーク(DCNN)を構築し、その性質を解析した。DCNNは脳の階層的な視覚情報処理機構を模しており、画像分類においてヒトと同等の性能を発揮するため、本研究の目的に適している。896枚の食品画像に対する被験者199名の評価データを解析した結果、「DCNNが食品画像から主観的価値を統計的有意に予測可能である」ことが確認された。さらに、DCNNの各層の活性化パターンを解析したところ、「食品の健康への影響や味などの高次情報は高次層で表現されている一方、色などの低次画像情報は低次層から高次層まで広範囲に表現されている」ことが明らかとなった。これらは、低次画像情報が食品の主観的価値の計算過程全体を通じて重要な影響を及ぼしていることを示唆する。今後はDCNNと脳機能データの対応を検証し、脳計算過程のさらなる理解を目指す。

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