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[2P1-OS-26-02] フェイクニュースの真偽判断における個人差は楔前部の脳応答特性に表出する
キーワード:フェイクニュース、偽情報、コグニティブセキュリティ、個人差、脳内メカニズム
AIが生み出すフェイク情報への対策は喫緊の社会課題である。対策技術の多くはフェイク情報を客観的根拠に基づいて検知することを目的にしている。それに対し、情報の受け取り手である人間の側からの対策は、抜本的な解決をもたらすにも関わらず十分に検討されていない。本研究は、この認知的な対策のための基礎的探究として、フェイクニュースの真偽判断に関わる脳内基盤の理解を試みた。フェイクニュースへの騙されやすさは個人に固有の脳特性が影響する。そのような脳特性の個人差を多様な映像が誘発する脳応答から評価した。一方でフェイクを含むニュースの真偽判断における個人差も評価し、2種類の個人差が相関する脳領域を真偽判断に関わる脳内基盤として特定した。その結果、有意な相関を示した複数の脳領域のうち、右半球の楔前部では本物のニュースではなくフェイクニュースの真偽判断時にのみ高い相関が確認された。したがって、楔前部における個人特性がフェイクニュースの真偽判断における個人差の形成に重要な役割を担うことが示唆された。以上の知見は、認知的な側面からのフェイクニュース対策に有益な知見をもたらす。
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