[2Win5] ポスターセッション2

[2Win5-101] 個人の行動決定の集約による社会規範形成シミュレータの提案

〇田島 潤¹、片岩 拓也¹、佐々木 健矢¹、森田 純哉¹ (1.静岡大学)

キーワード：事例ベース推論、認知モデル、コミュニケーション、社会規範

近年，異なる文化圏同士の摩擦など，社会規範に関する問題が顕わになっている．社会規範の形成・維持・変化を考えることは多様な共同体の在り方やその変貌の理解に役立ち、問題の解決に貢献する．本研究では，社会規範の発生を，独立したエージェントによる意思決定の集約として捉えるシミュレータを提案する．この枠組みにおいて，各エージェントは，事例ベース学習理論(Instance-Based Learning Theory）に基づいて，環境の観察と記憶を元にした意思決定を行う．本提案手法の有効性を測るため，実験としてジレンマ課題を行った．結果として，エージェント全体での判断が1つに集約されるケース，分散されるケースが観察された．今後，より現実の社会と整合する状況を設定することで，社会規範の発生に関する理解が可能になる．