2025年度 人工知能学会全国大会(第39回)

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[2Win5] ポスターセッション2

2025年5月28日(水) 15:30 〜 17:30 W会場 (イベントホールD-E)

[2Win5-74] グラフ埋め込み伝搬とLSTMの統合:マルチモーダル医療データからの患者アウトカム予測

〇野崎 善喬1、赤木 健一朗1、大西 峻1、Giampaolo Pileggi2、Federico Errica2、Marco Lepri2 (1.日本電気株式会社、2.NEC Laboratories Europe)

キーワード:グラフニューラルネットワーク、グラフ埋め込み伝搬、患者アウトカム予測、マルチモーダルAI、医療時系列データ

医療分野では、グラフ技術を用いた患者間の類似性や関連性モデル化や、多様なデータ統合による予測精度向上が期待されている。しかし、従来のグラフベース手法では時系列データの処理に課題があり、患者のアウトカム予測などの複雑なタスクでの性能に限界があった。本研究では、グラフベースの埋め込み伝搬技術であるEmbedding Propagation (EP)とLong Short-Term Memory (LSTM) Encoderを統合した新アプローチを提案する。患者をノードとするグラフ構造を構築し、EPで患者間関係を捉えつつ、時系列データをLSTM Encoderで処理する。これにより、患者の属性データなどの静的特徴と時系列データのような動的特徴の両方の効果的な表現が可能となる。PhysioNet Challenge Datasetを用いた実験で、入院患者の在院日数が一定期間を超過するか判別するタスクにおいて提案手法の有効性を検証した。従来手法と比較し、提案手法がAUROCで78.6%と最も高い性能を示した。本研究は医療分野におけるグラフベース機械学習の可能性を広げ、実臨床応用が期待される。

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