[3A1-GS-10] AI応用：大規模言語モデル

[3A1-GS-10-04] LLMエージェントによるエルファロル・バー問題の解析

〇高田 亮介¹、升森 敦士¹、池上 高志¹ (1. 東京大学)

キーワード：LLM、エルファロル・バー問題

本研究は，LLMベースのエージェント間の集団的インタラクションを通じて，自律的なゲーム生成と戦略の進化のシミュレーションを行なった．具体的には，空間的に拡張したエルファロル・バー問題において，二次元空間内に配置されたバーに対するエージェントの自律的な意思決定過程を分析した．バーの領域内のエージェント数が閾値を超えると不快，それ以下だと快適という条件下で，LLMエージェントはバーに行くという基本的欲求を持ちながらも，他のエージェントとのコミュニケーションを通じて，待機するという新たな戦略を進化させた．エージェントの数は閾値付近で一時的に安定し，その後増加に転じた．また，エージェントは状況に応じて異なるメッセージを生成し，組織化された集団としての振る舞いを示した．これらの結果は，LLMエージェント間の相互作用を通じて，従来のゲーム理論では扱えなかった新しい集団的意思決定のモデルが自律的に生成される可能性を示唆している．