[3H1-OS-10a] 人工知能を駆使した疾患動態研究

[3H1-OS-10a-05] AIを用いたワクチンの最適化とプロセス中の免疫学的示唆

〇川端 孝典^1,2、藤橋 浩太郎^3,4,5,6,7、中橋 理佳^3,4,5、山野上 朋之^3,4、町田 智紀^3,4、都築 拓^8,4、立川 剛至^8,4、川上 英良^1,9,10 (1. 千葉大学大学院医学研究院　人工知能（AI）医学、2. 国立循環器病研究センター、3. 千葉大学医学部附属病院　ヒト粘膜ワクチン学部門、4. 千葉大学 未来粘膜ワクチン研究開発シナジー拠点、5. 千葉大学災害治療学研究所　感染症ワクチン開発部門、6. 東京大学医科学研究所　国際ワクチンデザインセンター　粘膜ワクチン分野、7. アラバマ大学バーミングハム校　歯学部　小児歯科学講座、8. エピストラ株式会社、9. 特定国立研究開発法人理化学研究所 情報統合本部 先端データサイエンスプロジェクト 医療データ数理推論チーム、10. 千葉大学　国際高等研究基幹)

キーワード：AI、ベイズ最適化、ワクチン開発

背景
ワクチン研究開発では、免疫学的知見に基づいて高い抗体価を誘導するワクチンが要請される。しかし、免疫学の発展は著しい一方で未解明なメカニズムも多い。さらに、マウスを用いた実験では一度の評価に数ヶ月かかることは珍しくはない。

目的
可能な限り少ない回数でマウスの抗体価が高くなる開発パラメータを見つけることと、免疫学的メカニズムに関して学術的な示唆を得ること。ワクチンの研究開発にAIを導入した事例を報告する。

結果
実験パラメータの最適化にはベイズ最適化を用いた。プロセスの途中でベイズ最適化から生成された条件と履歴データを照合し、大規模言語モデル（LLM）と免疫学の専門家と共同してディスカッションすることで、検証する価値のある免疫学的な仮説が生成された。ベイズ最適化の終了時には、ワクチン開発の観点から意義のある結果が得られた。

結論
AIの利用は、実験パラメータの最適化のみならず、学術的メカニズムの解明につながる潜在的な可能性を持っている。