[3J6-GS-5] エージェント：LLMエージェント

[3J6-GS-5-03] IBISとLLMのロールプレイを活用したマルチエージェントによるブレインストーミング支援

〇福村 和真¹、伊藤 孝行¹ (1. 京都大学)

キーワード：意思決定・合意形成、マルチエージェント、社会課題応用

本研究では、IBISとLLMのロールプレイを活用したマルチエージェントシステムによるブレインストーミング支援手法を提案する。
人間の議論において、Issue-Based Information System (IBIS)は参加者全員が包括的に問題を扱うために有効である。この IBISを基盤としつつ、ロールプレイを伴うLLMベースのエージェントを導入することで、より効果的な議論支援を目指す。
集団でのブレインストーミングは多様な視点を通じて様々なアイデアを生み出すが、LLMをその支援に用いる際には2つの課題が存在する。1つ目は、多面的な会話に関する訓練が不足しているため議論が早期に収束してしまう点であり、これに対してはIBISに基づく議論構造で対処する。2つ目は視点の同質性であり、これについてはロールプレイ機能を組み込むことで多様な観点を促進する。
実験結果から、提案システムによる人間の発言の創造性向上が確認され、特にドメイン固有の知識を要さないテーマにおいて、エージェントがより創造的な結果を生み出すことが示された。