2025年度 人工知能学会全国大会(第39回)

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[3M4-OS-7a] 可視化とAIと科学・文化・社会

2025年5月29日(木) 13:40 〜 15:20 M会場 (会議室1008)

オーガナイザ:伊藤 貴之(お茶の水女子大学),脇田 建(東京科学大学)

14:40 〜 15:00

[3M4-OS-7a-04] 西洋絵画における画家間の影響関係の可視化と特徴量の比較

〇小田 稜子1、中村 栄太2、伊藤 貴之1 (1. お茶の水女子大学、2. 九州大学)

キーワード:情報可視化、西洋絵画、画像勾配ベクトル特徴量

近年,西洋絵画を情報科学の手法で分析する研究が活発だが,その多くは時代ごとの大きな画風変遷に焦点を当てている.一方,画家個人間の影響関係に注目した分析は十分に行われていない.本研究では,中村らの手法をもとに,複数の特徴量を用いて西洋絵画家間の影響関係を推定し,ネットワークを構築した.さらに,筆者が以前開発した可視化システムを使用して,異なる特徴量がネットワーク精度に与える影響を比較・分析した.具体的には,画像の色彩特徴量と,局所的な色彩や明暗変化を表す局所特徴量をもちいて,各画家の影響者となる親ノードを推定し,WikiArt.orgに記載の美術史的に正しいとされる影響関係と比較した.その結果,親ノードを1人推定した場合は色彩特徴量の方がWikiArtの影響関係をより正確に再現できた.一方で,親ノードを最大50人推定した場合は,局所特徴量の方がより正確に再現できた.また,局所特徴量の次元数を増やすほどより正確な再現となる傾向が確認された.本研究は,特徴量の組み合わせが画家間のネットワークに与える影響を明らかにし,今後の西洋絵画分析における画像解析手法の発展に寄与することが期待される.

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