2025年度 人工知能学会全国大会(第39回)

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オーガナイズドセッション » OS-44 言語とコミュニケーションの創発

[3O4-OS-44b] 言語とコミュニケーションの創発

2025年5月29日(木) 13:40 〜 15:20 O会場 (会議室1010)

オーガナイザ:長野 匡隼(電気通信大学),谷口 忠大(京都大学),上田 亮(東京大学大学院),鈴木 麗璽(名古屋大学),中村 友昭(電気通信大学),橋本 敬(北陸先端科学技術大学院大学)

13:40 〜 14:00

[3O4-OS-44b-01] 進化的深層強化学習を用いた集団創発言語におけるボールドウィン効果の観察

〇外谷 直人1、若林 啓1 (1. 筑波大学)

キーワード:創発コミュニケーション、マルチエージェント強化学習、シミュレーション

言語の創発過程において遺伝的な進化が果たす役割を計算論的に明らかにすることは,進化言語学における重要な課題である.遺伝的進化と言語創発の相互作用については,これまで極端に抽象化された言語を対象にした分析しか行われておらず,深層学習による創発言語と遺伝的進化との相互作用は明らかにされていない.本研究では Reconstruction ゲームを対象として,深層強化学習モデルの重みパラメータの初期値を遺伝子とした進化計算を用いることで,各個体の学習機会の量が遺伝的進化の進み方に与える影響を分析する.実験では,学習機会の量を変化させて,コミュニケーションの成功率,創発言語の構成性,未知の状態に対する汎化性能を,世代ごとに評価して分析を行った.実験の結果,学習機会の量が多い場合ほど,より早い世代で成功率や創発言語の構成性が向上することが示された.この結果から,深層学習による言語創発において,コミュニケーションの成功率や構成性に寄与する遺伝的進化が各個体の学習によって促進されるボールドウィン効果が働くことが示唆された.

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