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[3P5-OS-9a-02] 感情表出を手がかりとした社会的価値の推論と意思決定のための認知計算モデル
キーワード:囚人のジレンマ、エージェント、ベイズ更新
社会において相互協力は高い利益を双方にもたらす.一方,囚人のジレンマに代表される社会的ジレンマ状況では,相手が協力的なら協力し,相手が利己的なら協力を避けることが戦略的に有利とされる.しかし,実際に人が「相手が協力的か利己的か」をどのような認知的計算過程によって判断しているかは,十分に明らかになっていない.特に,感情表現は他者の意図や社会的価値観を推測するための重要な手がかりだが,人がこれをどのように計算統合しているかはまだ理解されていない.本研究では,繰り返し囚人のジレンマにおいて他者の社会的価値志向性(Social Value Orientation: SVO)をベイズ推論する計算モデルを提案する.具体的には,プレイヤーの行動生成モデルとして,(1) SVO 角度による利得変換に基づく意思決定と,(2) 結果の満足・不満足度と自他への責任帰属に基づく感情表出を仮定し,観察者がこれらを尤度としてベイズ推論を行うモデルである.シミュレーションと既存データへの適合度を検証し,このモデルの妥当性を示した.
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