[4E2-OS-12b] 知能の統合と創発 - 自律化、汎用化・実世界化へ -

[4E2-OS-12b-05] 認知アーキテクチャに基づくモデルとのインタラクションを通した個人の特徴の推定

〇西川 純平¹、森田 純哉¹ (1. 静岡大学)

キーワード：認知モデリング、認知アーキテクチャ、ACT-R

AI技術の急速な進展により統合AIシステムの展望が開けつつある．一方，人との共生を見据えたシステムの開発や運用においては，理論に基づく設計により，その説明可能性を確保することが重要である．本発表では，人の認知過程に関する理論として認知アーキテクチャACT-Rに注目し，認知モデルの実世界応用における設計図として認知アーキテクチャを捉える枠組みを提案する．とくに，人間の言語発達過程における音韻的側面への注意（音韻意識）を対象として，認知モデルを活用して個人の特徴を推定する試みを示す．この試みで重要な仮定は，参加者は自身と似た特徴のモデルが示す誤りに気づかないまま課題を進行するということである．この仮定に基づく試行として．参加者が未熟な音韻意識モデルとインタラクションする実験を示す．課題中の誤回答を手がかりとして，参加者個人の特徴と対応するモデルあるいはパラメータ設定を取り出す．今回は，個人の特徴を模擬するフィルタを導入し，フィルタの条件がモデルの相対的選好に影響するという仮説を検証した．結果は，仮説と整合的であり，応用認知モデリングシステムの実現の手がかりが得られたと言える．