2025年度 人工知能学会全国大会(第39回)

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[4O2-OS-29a] デジタル人文学とAI

2025年5月30日(金) 12:00 〜 13:40 O会場 (会議室1010)

オーガナイザ:大向 一輝(東京大学),嘉村 哲郎(東京藝術大学),亀田 尭宙(人間文化研究機構),中村 覚(東京大学)

13:00 〜 13:20

[4O2-OS-29a-04] アリストテレス原文と古注を結ぶ統合デジタルプラットフォーム

大規模言語モデルを活用した西洋古典読解環境

〇田中 一孝1、小川 潤2、岩田 直也3 (1. 桜美林大学、2. 国立情報学研究所、3. 名古屋大学)

キーワード:西洋古典学、大規模言語モデル、アリストテレス、リンクトデータ

アリストテレス解釈の歴史は注解の歴史でもあり,ギリシア語やラテン語の「古注」が多く伝わる.だが,アリストテレスの原典や古注を理解し,複数の書籍やPDFを行き来して照合する作業は多大な負担である.他方,大規模言語モデル技術の進展により,古典語の解析やデータ連携が容易になった.そこで本研究では,この技術を活用しながら,原典と注釈を統合管理した古典読解のためのプラットフォームHumanitext Readerを開発した.具体的には(1) 伝統的なテクスト区分に基づきながら原典を整備した上でIDを付し,(2)古注と参照対象の原典テクストとIDで紐づけ,(3) 原典と古注を一元的に管理表示,さらに要約や翻訳を提供するアプリケーションを開発した.これによって,今後はアリストテレスの読解プロセスが一気に短縮され,研究効率が飛躍的に向上するだろう.現代の諸語だけでなくシリア語やアラビア語などの注釈も取り込み,将来的に本システムはアリストテレス研究の基盤へと発展し得る.加えて,本システムやテクストデータ整備のアプローチは,他の著作家や注釈群にも適用できる.

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