2025年度 人工知能学会全国大会(第39回)

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[4P1-OS-17a] 数理最適化

2025年5月30日(金) 09:00 〜 10:40 P会場 (会議室801-2)

オーガナイザ:梅谷 俊治(リクルート),藤原 秀平(ALGO ARTIS),岩永 二郎(エルデシュ)

09:20 〜 09:40

[4P1-OS-17a-02] 市場取引と多様な電源を扱う需給計画最適化

実務的計算時間と年間10億円超の収益改善実現するアプローチ

〇孝治 吉春1、梅田 龍介1、髙橋 奎太1 (1. 株式会社グリッド)

キーワード:数理最適化、需給計画、電力市場、市場取引、送配電計画

本研究では,数理最適化を用いて電力の需給計画問題を扱い,実際の週間計画に適用した事例を報告する.本手法は,天候,需要,電力価格の予測値をもとに複数のシナリオを作成し,それぞれにおける発電機の起動停止計画を算出するものである.自社送電エリア内では,火力発電所,水力発電所,揚水発電所,原子力発電所などの自社発電だけでなく,太陽光発電や他社発電所からの買電も統合的にモデル化している.各発電所は,実際の運転計画に必要な制約を細かくモデル化している.本研究では二段階のアプローチを採用し,この問題を効率的に解決している.第一段階では,各発電所や電源について,電力価格を考慮した上で最も経済合理性の高い運転計画を個別に求める.第二段階では,需給バランスや域外への売電量を踏まえつつ,各発電機の出力を調整し,全体として需給を一致させる.この二段階のアプローチによりモデルが大幅に簡素化され,実務的要求を満たす計算時間で発電機の起動停止計画を導出することが可能となった.実際の導入事例では,この最適化手法を適用することで年間10億円以上の収益改善効果を達成している.

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